内閣府が8日発表した8月の景気ウォッチャー調査によると、景気の現状を3カ月前と比べた判断指数は前月比1ポイント低い28.3となり、調査開始以来最低だった01年10月(27.2)に次ぐ過去2番目の低水準となった。内閣府は「景気の現状は厳しい」との判断を据え置いた。
観光関連業種の景気の現状認識は次の通り。
岩手・宮城地震の風評被害やガソリン価格の高騰に伴い、旅行マインドが著しく低下し、8月は前年比で30%の減収。9月の予約も大幅に減少している(東北の観光型旅館)▽前年は世界陸上の影響で宿泊は好調だったが、今年は個人予約の伸びが非常に悪い。レストランは来客数が今年も減ったほか、原材料の値上がり分を販売価格に転嫁できないなど、厳しい状況が続いている(近畿の都市型ホテル)▽例年だとお盆などの旅行について、個人客は需要が比較的多かったのだが、今年は旅館などに空室があり、例年の半分以下の状況(中国の旅行代理店)▽松山・道後は「坂の上の雲」プロジェクトや道後温泉周辺の整備により、ある程度賑わいもあり、日帰り客は増えているが、宿泊客が伸びない(四国の観光型旅館)▽観光施設はNHK大河ドラマの効果がかなりあるが、それを除くと景気は後退している。ゴルフ場は相変わらず料金の競争があり、入場者はほとんど変わらない(九州の観光名所)▽前年に比べ台風の影響がなかったため、稼働率も順調に推移した。現在のところ9月も前年の受注を上回っている(沖縄の観光型ホテル)